目が覚め柱時計を見ると、夜中の一時をまわつている。起きて食事のしたくをしているうちに、Mも起きてしまった。それから、Mを風呂に入れるという、ひと仕事が残っていた。家庭の風呂を知らない施設の子どもの場合、風呂に入れるとたいてい大泣きするのである。見知らぬ場所で、しかも密閉された小さな部屋に入れられ、これから何か始まるのか予測もつかないのだから、子どもは不安と恐怖でただ泣くばかりである。私はMと風呂に入ると、まずMの体や頭を手早く洗うことだけに専念した。そして、自分だけもう一度あとで入りなおすことにしたのである。Mは、案の定かん高い声を張り上げて泣き出した。眠気と空腹感が重なり、みるみるうちにゆでダコになり、激しく泣き出した。力みすぎたのか、風呂から出てバスタオルに包まれるなり、おしっこをしてしまった。温めてあったミルクを飲み始めるとようやく落ち着き、眠り始めた。翌朝八時半近くまで一度もぐずることなくMは寝ていた。帰りの車の中では、Mは興奮気味で、突然はしゃぎ声をあげたり、しばらく窓際につかまり立ちしながら外の景色を見たりしていたが、そのうちに私の膝の上でウトウトと眠り始めた。乳児院に着くなり目が覚めたMは、しばらくキョトンとしていた。○歳児室に入り、顔見知りの保育士の顔を見ると、ほっとしたようであった。やっと自分の居場所に戻ってきたという安心感を抱いたのか、部屋の中をごそごそ這い始めた。日曜日の午後となると、さすがに外泊している子どもや出かけている子どもがいたりして、どこの部屋もいつもよりは人数が少なく、全体にのんびりとした雰囲気が漂っていた。
(参考サイト)
保育士の年収
保育士の受験期間
保育士の魅力