通風・換気の行き届いたプランになっていることも、結露対策には有効だ。また、シックハウス症候群の原因とされる有害物質の発生に対しても、通風・換気は効果的である。特に気密性が高いマンションでは、換気計画の良し悪しは重要である。古い木造の日本家屋は、屋内の空気は一時間のうちに屋外の新鮮な空気と三回程度入れ替わるといわれた。それだけ隙間風が入り込みやすい気密性の低い家屋だったのである。これに対してマンションなどの鉄筋コンクリート造の建物では、一時間にわずか〇・二五回だという。古い日本家屋の一一倍も気密性が高くなっているのである。日本の伝統的な住まいに対する考え方は、徒然草の「夏を旨とすべし」という一節に代表されるように、風通しがよく開放的なものとし、自然と一体となって季節を感じるように計画されていた。気密性を高めるという発想自体がなかった。それで十分快適に暮らせたのだが、自動車の普及で排ガスや騒音問題がある現代では、外部環境を遮断して内部の快適さを追求する方向にある。