チーム全体としての能率

2012.02.06

ある病院の外科医が手術がうまいから、あるいは看護婦が親切だから、あるいはソシアルーワーカーが有能だからそこを選ぶというような場合もなくはないでしょうが、一般には患者は一つの病院の中にどういう職種が存在して、それぞれがどういう能力をもっているかというようなことを知って訪れるのではありません。立派な病院らしいからそこへ行けば職員みんなが協力して最善のケアをしてくれるだろうと1つまり組織体としての病院を信用して訪れるのでしょう。したがって数多くの専門職種のオーバーラッピングを恐れず、むしろ専門の間から水の洩れることを恐れて、チーム全体としての能率を上げるように努めなくてはならないと考えるのです。各種の専門職はそれぞれの専門技術を訓練するとともに、チーム医療の一員としての自覚をつちかうように共通の理念に立って教育されることが望ましいと考えられます。職場に出てからいきなり専門分化の弱点をカバーすることを求めても無理でしょう。ことに医者の場合は、いざとなれば独立して開業できるという気持がありますから、どうしても一匹狼になりやすく、医療チームの責任者としての自覚を欠くおそれがありますが、今日の医療はチーム医療、組織医療たらざるをえないのですから、頭の切り換えがどうしても必要なように思われるのです。